「外科矯正(顎変形症)」をご確認ください。
外科矯正実績・症例
手術を併用する矯正治療を外科的矯正治療といいます。
上下顎のサイズ・形態・位置関係に著しい不調和がある場合、 外科的矯正治療(矯正治療の途中に外科手術を実施)を行います。この治療法により、歯並び・噛み合わせはもとより、顔の左右の歪みなど顔貌の劇的な改善が期待でき、長年のコンプレックスから解放されます。
ひと言に手術といっても、上下どちらかの顎だけを手術する場合もあれば、上下の両方を同時にする場合もあり、また、その内容はさまざまです。外科的矯正治療は、術前矯正→手術→術後矯正の順で進められていきます。
①術前矯正(1年~1年半位)
手術後の噛み合わせが安定するように、矯正を行います。親知らずの抜歯など必要な前処置を済ませます。
②手術
手術は、全身麻酔下ですべて口の中から行います。顎骨を離断し、位置決めを行い、離断した顎骨をビスやプレートにより固定します。手術時間は、片方の顎だけだとおよそ1〜2時間、上下になると2〜3時間です。手術に際しては10日程度の入院が必要です。手術後は、切った顎を安静に保つために、上と下の顎が動かないように、1週間ほど固定(上下歯列の間を小さな輪ゴムで留める)します。手術をした部分の骨が治って十分な強さを取り戻すまでに、半年位はかかります。
③術後矯正(6ヶ月~1年位)
より緊密な噛み合わせになるように、矯正治療を行います。
良い結果を得るために、当院では以下の点についてこだわっています。
- 手術後の顔貌について、過去に治療した数多くの症例の中から、同じような外科矯正症例のデータを元に説明を行います。
- 術後の噛み合わせが安定するように、何度も歯型をとりながら、特に手術前の矯正治療を非常に厳密に行っております。
- 当院では、顎変形症の手術の経験豊富な口腔外科専門医との連携を極めて密に保って診療を行っております。
なお、当院では県の認可(*)を得て外科的矯正治療は健康保険を適用(病名は顎変形症)して行えますので、経済的な負担はかなり軽減されます。
(*)都道府県から「顎口腔機能診断施設」として認可を受けた医療機関。この認可を受けた医療機関で顎変形症の治療を行う場合、矯正治療は健康保険が適用されます。当院ではこの認可を受けております。
Ⅰ.下顎に対する手術方法
下顎骨が大き過ぎる場合、また逆に、小さ過ぎる場合、症状に応じて、主に以下のような手術方法があります。口の内から手術しますので、顔にキズが残る心配はありませんのでご安心ください。
左右の親知らずを前もって抜歯します。
下顎の骨を内側と外側に分割し、歯がついている内側の骨を正しいかみ合わせ位置に移動させ、チタンプレートで内側の骨と外側の骨を固定します。
骨が完全にくっついた後、チタンプレートは除去します。
Before / After
[主訴]
[診断名あるいは主な症状]
[年齢]
[治療に用いた主な装置]
[抜歯部位]
[治療期間]
[治療費概算]
[リスク副作用]
Ⅱ.上顎に対する手術方法
上顎が前に出過ぎたり、逆に、上顎が小さ過ぎて顔面の中央部に凹感がある場合。あるいは、顔面が左右非対称な場合には、上顎に対して以下のような手術が行われます。
ルフォーⅠ型骨切り術(Le Fort Ⅰ osteotomy)
Before / After
[主訴]
[診断名あるいは主な症状]
[年齢]
[治療に用いた主な装置]
[抜歯部位]
[治療期間]
[治療費概算]
[リスク副作用]
Before / After
ななめになっていた唇が治り、笑顔に自信がもてるようになりました
[主訴]
[診断名あるいは主な症状]
[年齢]
[治療に用いた主な装置]
[抜歯部位]
[治療期間]
[治療費概算]
[リスク副作用]
上顎前方部骨切り術 (anterior maxillary osteotomy)
本症例では、上顎の左右側の第1小臼歯(*)を抜去して、それより前方部分の骨と歯を一塊として後方に移動・固定してあります。
Before / After
[主訴]
[診断名あるいは主な症状]
[年齢]
[治療に用いた主な装置]
[抜歯部位]
[治療期間]
[治療費概算]
[リスク副作用]
Ⅲ.オトガイに対する手術方法
オトガイ(下顎の先端部分)が著しく出ている場合、あるいは逆に小さすぎて貧弱な場合、同部を手術して自由に形態を整えることができます。
下顎骨の移動術を行った後、あご先(オトガイ)を修正する手術です。この手術はかみ合わせには関係しませんが、輪郭やフェイスラインをすっきりさせ、顔面のバランスを整えるために行います。手術は、全て口の中から行うので傷あとは残りません。手術時間は30分程です。
オトガイ前方移動術
Before / After
いわゆる『あごがない』状態でしたが、
手術後すっきりした横顔になりました。
[主訴]
[診断名あるいは主な症状]
[年齢]
[治療に用いた主な装置]
[抜歯部位]
[治療期間]
[治療費概算]
[リスク副作用]
オトガイ後方移動術
Before / After
悩みだったあごの形がすっきりしました。
[主訴]
[診断名あるいは主な症状]
[年齢]
[治療に用いた主な装置]
[抜歯部位]
[治療期間]
[治療費概算]
[リスク副作用]
矯正歯科治療にともなう一般的なリスク・副作用
- ① 最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2 週間で慣れることが多いです。
- ② 歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- ③ 装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- ④ 治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- ⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収されて短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ⑥ ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ⑦ ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- ⑧ 治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- ⑨ 治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- ⑩ 問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- ⑪ 歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- ⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- ⑬ 装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- ⑭ 装置を外した後、保定装置を指示通りに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- ⑮ 装置を外した後、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- ⑯ 顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- ⑰ 治療後に親知らずが生えて、歯列に凹凸が生じる可能性があります。加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
- ⑱ 矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。